ハルディンの米粉のクッキーはサクサクっとした食感が特徴で
「こんな食感のクッキーは初めて食べた!」といわれることもままあります。
その食感は製粉方法にあるのです。
菓子工房のお菓子に使う米粉は、ドイツ製の電動式石臼製粉機で自家製粉します。
無垢材の木と、ものすごく強くて摩耗しない石臼でできています。
電動の自家製粉器だと、金属製の歯で粉砕するものもありますが、金属は摩耗して、微量ですが米粉の中に入ってしまうそう。
金属が含まれる米粉というのも嫌だし、塗料や機械油も気になるので、無垢材の木で作られたこちらの製粉機を選びました。
自家製粉と、過敏症ー「食べられない」という経験
市販の米粉を使用したほうが、お菓子作りの手間が省けます。
でも、市販の米粉に使われることが多い飼料用米でなく、農家さんから直接仕入れたお米を使いたかったし
大きな工場と違って、少しずつ製菓材料を使っていくうちの工房では、長い間米粉を保管してその酸化も怖かった。
過敏症の症状が今より強かったときは、無農薬のお米でも食べられないものが多かったり
そもそも食べられるものがものすごく少ない期間があったり、酸化したものに反応することがありました。
そのため、よい素材を探してきて、それを自分でできる限り加工するのが一番だと思ったのです。
お米の選ぶとき気を付けていたこと
食べれるものがなかなか見つからず、お米ジプシーをしていたころ、
「ここに注意してお米を選んでいけば、反応しにくい!」と気づいたのは下記の4点。(あくまで私の選び方です)
①タンパク質、でんぷんの種類、量(品種)(私の場合→ササ系の品種を選ぶ)
②農薬、たい肥の種類、量(→これは何がいい悪いというのは難しい。周りの環境や、農家さんの方針なども伺って考えます。)
③乾燥方法、機械乾燥の場合乾燥してからの期間(天日干し、または乾燥機にいれてから半年ほどたったお米を選ぶ)
④酸化度(酸化していないものを選ぶ、玄米で買って精米する)
当時の私は食事をしては倒れることを繰り返していて、食べることも怖いぐらいでした
生きるために自分にとってより良い可能性があるものを選ばなければならなかったのです。
全国のお米をお取り寄せしたのに、結局は身近な農家さんのお米が一番いいというのが、なんだかなぁという感じですが。笑
先日大学病院の麻酔科の先生とお話したら、
今は医療も進んで、農薬や添加物の問題についても周知されていて
アレルギー科でも食品の成分分析をする研究所と協力して、どの農薬や添加物、土壌の質、
薬剤でアレルギー反応が起こるか細かく検査して反応物を特定することもある。とお話されていました。
酸化など、食べるものの質についてはアレルギーの専門書でもよく取り上げられてますね。
強い反応が起こる人、特にお子さんの場合は医療、医師との密な連携や、こういった知識は欠かせないこと。
石臼引き米粉づくりと、米粉のお菓子づくり
菓子工房で使う分のお米の精米、製粉、ふるいの作業は一日がかりの作業で、意外と手が抜けません
でも、ひきたての新鮮なお米の香りをかいでしまうと、やっぱり自家製粉はやめられない!
石臼引きの米粉は、市販の製菓用の米粉に比べるとやや粗目です。
でも粗い粒の中にも石臼ならではのまあるい舌触りが、特にクッキーのときにはサクサクの焼き上がりに変化します。
ハルディンは米粉クッキーのバリエーションが多いので、それはとても嬉しいことでした。
今年はどんなお菓子を焼こうか。
石臼の使い方もより探求する一年にしたいと思います。
もっとお米を楽しむために
ハルディンで使用する製粉機はこちら『KoMo Fidibus 21』。
ちょっとお値段は張りますが、お米の値段だけで新鮮な米粉をいつでも食べることができるのでお勧め商品です。
もっと自宅でいろいろなお米を製粉して楽しむ人が増えればいいなという思いを込めて、これからはKoMoで製粉したあらびき米粉のレシピも紹介していきたいと思います。
今年はもっと自由に、クリエイティブに、米粉のお菓子や料理を楽しんでくださる方が増えますように。